【元葬儀屋】水小寺僧堂

夜中にある集落まで病院から御遺体を搬送した時の話
帰りに寝台車を走らせているともう一本遺体引取りが入ったとの事で急いで帰らねばならなくなった。
俺(嫌だな~。でも間に合わないしな、仕方ない)
何が嫌かというと、山を越えるのが嫌だったんだ。
低い山でカーブもない一本道だ。
迂回するよりも20分は早く会館に帰り着ける。

その山の中腹には有名な水小寺があり、いわゆる心霊スポット的な扱いで若者達の肝試しが夜な夜な行われる場所だった。

俺(素通りすれば問題ないし、行っちまえw)
快調に走る車、対向車が来るとすれ違うのがやっとの道を走る。
俺「ここがあの有名な寺か…」
何日も雨なんか降ってないのに異様に湿気た僧堂が見えた。
ぶるっと来て早く行こうとした処に明かにDQN仕様の車が来た。

(最悪…)
しかし多分向こうも最悪な気分だろうね。
水小寺の前で寝台霊柩車と会うんだからw
少し左に切ってDQNを交わして下ろうとした瞬間。

がただただたたた…。

あれ?車がおかしい。
色々噂は聞いていたが実際食らうとちびりそうになった。

寝台がカタカタ鳴る…。
おかしい、ストッパーは掛けたからこんなに鳴るはずないっ!
気になって後ろを見た瞬間、ボンネットが

バンっ‼︎‼︎‼︎

え?

何もしていないのに跳ね上がった。
いよいよパニックに…。

マジかよ!
遠くでDQN女らしき悲鳴も聞こえた。
同時多発ポルターガイストかよ!
助けてくれそうなやつもいない、どうするよ…!
出るの怖すぎて無理!
でもカタカタも止まないし、中も怖い。
気が付けばエンジン切れてる‼︎

泣きながら走って外に出てボンネットを叩き落す。
勿論セルは必死に回すが

かからねぇ

後ろのストッパーのカタカタがガタガタ震えて来た…。
何か凄い事に…なるんじゃなかろう…

ガッシャーン‼︎

後ろの寝台が跳ね上がった。
その瞬間、セルが回り出した。
逃げる様に走り、会館に帰り着いた時には身体は汗でびっしょりだった。

寝台大丈夫かな…。
後ろのハッチを上げようとしたら

そこらじゅうに小さな手型がビッシリ付いていた。

あれだけ派手に揺れてはね上がったりしたのに傷一つ着いていなかった。
もしかしたら寝台車を見た水子が現世を思い出して羨んだのかも知れない。

 

 

DQNは知らん。多分無事…

 

 

多分。

怖えええぇーーーーーー!!

 

 

本当に体験したガチオカルト体験

 

 

旧会館時計

ある日、一人で仕事を受ける様になった。

小さな葬儀で、人手も要らないので俺と献茶のおばちゃんの2人で十分だった。

そこは新館に移転してからはあまり使われていない会館で、設備も余りいい物ではなかった。フロントホールには、創業時に買ったか寄贈されたかの古い振り子時計が据え付けてあった。

式が混み合って会館の確保が出来なかったために急遽使用する事になった。

俺「何か薄暗いっすね」