私が猫又に出会った話

1:代行 2014/01/21(火) 18:45:40.29 ID:PjCKKNQX0
8年前私が体験した話です。
大学を卒業して獣医師免許を取ったばかりの頃のお話。

3:忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) ◆BUxZpQs5ZU 2014/01/21(火) 18:49:41.92 ID:QmGt65RG0
スレ立て(スレ立て代行)ありがとうございます。
少し長くなりますが、ある出来事が有り今回一区切りとして
今一度あの体験を思い出し書いていきたいと思います。
よろしかったらお付き合いください。
私は大学附属の動物病院に勤務していた。大学附属と
言っても動物病院なんでそんなに大きい施設ではなかったが。
私の上司に当たる獣医師は、「獣医師業務は慈善事業でも、野良犬・野良猫の保護でもない。
そのへんにいる動物を片っ端から助けていたら破産する。ただでさえ給料が少ないのだから利益をいかにして出すか。獣医師はビジネスだってことを忘れるな。」そんなことを常日頃から言っている人だった。
何となく大沢たかおに似ていたため以下大沢とする。

元ネタ:http://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1390297540/

タイトル:私が猫又に出会った話

4:忍法帖【Lv=2,xxxP】(2+0:8) ◆BUxZpQs5ZU 2014/01/21(火) 18:52:05.66 ID:QmGt65RG0
大沢は私の10歳年上の所謂中堅ポジションとして病院では活躍していた。
「獣医はビジネス」という考えが理解できなかった私は大沢が大嫌いだった。
しかし、それが病院の理念でもありほとんどの獣医師がその理念のもと働いていた。

もともと動物が好きで獣医師を目指してきた私にとっては
病院が掲げるその理念は衝撃的であった。
もちろん動物が好きなだけではこの仕事が務まらないのもわかっていたし、
獣医師は法律上人間のために存在する資格であることもわかっている。
しかし、私の中での獣医師像とはかけ離れた「ビジネス、利益至上主義」のその病院のことは、どうしても好きになれなかった。

5:忍法帖【Lv=2,xxxP】(2+0:8) ◆BUxZpQs5ZU 2014/01/21(火) 18:54:09.36 ID:QmGt65RG0
例えば、治療で使う抗生物質一つでも、より高価なものを選択する。
考えてみて欲しい。
自分がとても可愛がっている家族同然のペットが、
大きな病気やケガをしたとき藁をもすがる気持ちで、
少しでもいい治療を受けられるよう病院に連れてきたのに、
必要のない薬や高価な薬を勝手に使われ高額な医療費を請求される。
飼い主さんにとっては「ただこの子を助けたい」という思いだけなのに、
そんな気持ちを踏みにじるような治療内容であることも少なくはない。

6:忍法帖【Lv=2,xxxP】(2+0:8) ◆BUxZpQs5ZU 2014/01/21(火) 18:57:05.27 ID:QmGt65RG0
私はそんな動物病院の体制に嫌気がさしていた。
もうこの上司の下ではやっていけない。
こんな仕事やめて、ボランティア団体に行ってみようか。
最初はとにかく辞めたくてしょうがなかった。

そんなある日の深夜、一人の老婆が訪れた。
19歳になる猫の様子がおかしいので連れてきたと言うのだ。
猫は可愛らしい顔をしたアメリカンショートヘアー。
診察の結果腎臓が悪く、急に昏睡状態に陥ったようだ。

7:忍法帖【Lv=2,xxxP】(2+0:8) ◆BUxZpQs5ZU 2014/01/21(火) 18:59:10.75 ID:QmGt65RG0
私はその日経過が気になる犬がいたので徹夜で様子を見ていた。
獣医は私と大沢の二人。
大沢はあからさまに嫌な顔をしていた。
仕方がないので私が診察に当たり、現在の状態を説明。
「詳しい検査もあるので今晩は預かります。詳しく検査をしてみないと
今後の治療方針も決まらないのでまた明日、お迎えに来てください」
と老婆に告げた。
老婆は分かりましたとポツリと言い残し去っていった。

8:名も無き被検体774号+ 2014/01/21(火) 19:01:02.30 ID:P8uFtQay0
おばあちゃん1人と猫1匹で暮らしてたんかなぁ…
なんか和む

9:名も無き被検体774号+ 2014/01/21(火) 19:01:16.31 ID:g4pyMbhk0
支援

10:忍法帖【Lv=2,xxxP】(2+0:8) ◆BUxZpQs5ZU 2014/01/21(火) 19:02:25.06 ID:QmGt65RG0
翌日猫は未だに昏睡状態。
詳しく検査した結果、腫瘍が全身に広がっていることが発覚した。
おそらくひどい痛みに耐えていただろう。
腎不全のため心臓も弱っていた。
19歳という年齢も考慮して、痛みを最小限に抑えてあげて、
お家で飼い主さんと最期の時を過ごしてもらうのが最善だろうという結論に至った。
そのことを老婆に告げると、色々準備をするのでもう一日預かってくれと言われた。
私は快諾した。
その日の夕方猫が目を覚ました。
痛々しい姿ではあるが飼い主を探すような仕草をして「ニャーン」と鳴いた。
私はひと安心し自宅に帰った。

11:名も無き被検体774号+ 2014/01/21(火) 19:03:26.61 ID:4wIoWUGg0
十九歳ならしょうがないか…

12:忍法帖【Lv=2,xxxP】(2+0:8) ◆BUxZpQs5ZU 2014/01/21(火) 19:05:00.77 ID:QmGt65RG0
翌日休みだった私は夕方まで寝ていた。
すると大沢が大声で怒鳴り電話をかけてきた。
何事かと聞いてみると、なんでも猫の飼い主と連絡がつかないらしく
治療費を踏み倒されたらしい。
最初に名前と住所と電話番号を書いてもらっていたのだが全てデタラメだったのだ。
まあ珍しいことではないんですがね。

とりあえず明日まで待ちましょうと言い電話を切った。
翌日出勤してもまだ猫のお迎えは無かった。
大沢は「無料で治療は出来ない。可哀想だがこのまま投薬をやめて死ぬのを待つしかない。」
と言っている。
私は猫の顔を見ていると何だかとても悲しい気持ちになった。

13:忍法帖【Lv=2,xxxP】(2+0:8) ◆BUxZpQs5ZU 2014/01/21(火) 19:07:16.16 ID:QmGt65RG0
「私が看ます!」
勢いで言ってしまった。
今考えると、獣医師としてのプロ意識が足りないと思うし
正直考えられない行為だ。
なんでそんなことを言ってしまったのかわからない。
でも何だかこの猫を見捨てることがどうしても出来なかったのだ。

その日から、私は仕事以外の時間を全部猫の面倒を見るために使った。
数日間は病院に入院させてもらい、
病状が落ち着いてから家に連れて帰り点滴、投薬をした。
とにかく痛みを取り除くために手を尽くした。

14:忍法帖【Lv=2,xxxP】(2+0:8) ◆BUxZpQs5ZU 2014/01/21(火) 19:10:12.72 ID:QmGt65RG0
そんなある日、仕事が終わり家に帰るとなんと猫が立ち上がっていた。
病状は改善はしないものの痛みが和らいだため、
動くことができるようになっていたのだ。
餌も柔らかいものなら食べられる。
一安心だ。あとはこの猫のそう長くはない余命を、幸せに全うさせてあげよう。
そんなことを思っていた。

次の日私にとって忘れられない体験をすることになる。
事前に言っておくが、これは色々な人に話しても誰も信じないし、絶対にありえない。
お前人間の病院に行ったほうがいいぞと言われるほどブッ飛んだ体験だった。

そして、、
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