ラノベ作家になった俺が絶望して引退するまでの10年間を書いてく

1: 俺◆uiSAjL/Qtc 2018/09/25(火)22:02:46 ID:H6J
ゼロ年代にラノベ新人賞を受賞しプロになった俺が
その10年後に絶望して完全引退するまでの話

全てが終わってかなり経ったから書く
どこかに10年間の記録を残しておきたいから書く

引用元: ・ラノベ作家になった俺が絶望して引退するまでの10年間を書いてく

3: 俺◆uiSAjL/Qtc 2018/09/25(火)22:03:28 ID:H6J
当時の話から始める。
当時2000年代後半、ラノベ業界は急速に活気づき始めていた。
ハルヒのアニメ化一期が大成功し新レーベルが次々と参入し、
その知名度と市場は一気に膨れ上がっていった。

それまでのラノベと言えばシャナかブギーポップあたりが少し話題になっているくらい。
それもあくまで「シャナ」「ブギーポップ」という個別の作品が売れているだけであり、
ラノベというジャンルはまだまだ一般的にも(ネットにおいても)認知されていなかった。

今となっては信じられないかもしれないが、ネットとラノベはとても遠い存在だった。
電撃の新人賞受賞者があとがきに2ちゃんの有名コピペを仕込めば、それだけでネットは大喜びだった。
あとがき横読みで出る「どう見ても精〇です。本当にありがとうございました」で2ちゃんは盛り上がった。
今よくある炎上系批判の盛り上がりではなく好意的な盛り上がり、
それこそ「ラノベ作家が2ちゃん見てた! このカキコも見てる?」のような喜びの祭りが開催された。
当時ツイッターなどは勿論なく、ただ作者への一方通行だった。
ラノベ作者が見ているに違いないと信じて書き込む、ただそれだけの遊び。それでみんな楽しんでいた。

4: 俺◆uiSAjL/Qtc 2018/09/25(火)22:03:59 ID:H6J
この状態にピンとこない人も、こっちの話をすれば理解してもらえるかもしれない。
それは「オレら2ちゃんねらーの力でハレハレユカイを一位にしようぜ祭り」
アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の主題歌である「ハレハレユカイ」。
それを2ちゃんで宣伝して皆で買いまくってオリコン一位にしちゃおうぜ! という祭り。
オリコンにアニメソングなんて普通はあり得ない。
オレらの悪戯でそこにハレハレユカイをねじ込んで世間を驚かせようぜ! ……という祭り。

当時のネット(2ちゃん)民達は、どこからか来たこの祭りでそのまま素直に盛り上がった
ハルヒやみくる、長門といったキャラクター達のAAがどこからともなく作られてきて
それが各板で「ハレハレユカイを買おうぜ!」と次々と有志の手でコピペされていった
ハルヒのアニメ化は大成功した。

ステマなんて単語・概念が初めて出たのはこの五年以上も先の話だ。
ともかく当時はそんな感じの世界でありネット文化だった。

6: 俺◆uiSAjL/Qtc 2018/09/25(火)22:04:22 ID:H6J
ハルヒは大成功し、そして「らきすた」が期を同じくして放映されこれも大成功。
そのおかげかどうかはわからないが、ラノベ市場は一気に知名度と市場が膨大した。
初めの話に戻る。

2000年後半、次々と新しいレーベルがラノベ市場に参入していった。
参入出版社が増え出版数が増えれば、当然そこで書く者達が必要になってくる。
ラノベ作家需要の突然の高まりに次々と新人賞が創設され、また賞一回ごとのデビュー枠も激増した。
毎月というレベルで多量の新人が次々と受賞し、そして次々とデビューしていった。
発見された未踏の新大陸、果ても見えない広大な開拓地。そこに上陸した何十人のルーキー達。
その一人が俺だ。十数年前の俺は、そんな風にしてラノベ作家になった。

7: 俺◆uiSAjL/Qtc 2018/09/25(火)22:04:53 ID:H6J
そろそろ俺のスペックを書く。俺は当時、二十代の後半だった。
小学校の時に国語の授業であった「地図を見て物語を書いてみよう」で「作家になりたい」と思い、
そして中学の時にスレイヤーズにハマってラノベ作家志望になり、
そのまま十五年近くそのままラノベ作家になりたくて足掻いていた。
2ちゃんと出会ってからライトノベル板(ラ板)に入り浸り、お気に入りは新人賞スレだった
まだ「小説家になろう」等は存在せず、ラノベ作家志望はつまり新人賞への挑戦だった
新人賞スレはそんな者達が日々書き込みをし、ワナビと自称していた。

俺の仕事は実家自営業の従業員。父親が社長である零細自営の後継ぎ若造だ。
中学の時にラノベ作家を志望したガキは大学を出て親の会社に入り、そしてまだラノベ作家志望だった。
そんな二十代後半だったが、しかしこれでも当時のラ板ワナビの中では最年長な方だった。
スレの連中がルナ・ヴァルガーを全く知らない事に驚愕し、自分を年寄りだと思っていた。

年寄りなりに、婚約者がいた。といっても恋愛ではなく、会社の紹介で知り合った人だ。
とりあえず紹介されて何度か会って、まあ互いに他の相手もいないし結婚するんだろうな……という感じ。
具体的な話はこれからとして、とりあえず週に一度くらい会おうか。そんな感じ。

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