名探偵に濡れ衣を着させられそうになった話

1: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:35:29.81 ID:sgWdIxsM0
たったら書くね

引用元: 名探偵に濡れ衣を着させられそうになった話

2: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:37:57.31 ID:sgWdIxsM0
とりあえず登場人物

俺:おバカ丸出しの量産型小学生。一部女子から嫌われてた。

名探偵:少々大人しかった奴

Iさん:それなりと可愛い娘。今回の事件の被害者

ルパン:俺の親友。なぜルパンかというと祭りの屋台でワルサーP38のエアガンを買ったから。

イケメン:頼もしいイケメン。昔から下ネタ大好き

4: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:38:46.30 ID:sgWdIxsM0
小学4年の頃の話。

その日は梅雨晴れした熱い日で、登校する時に田んぼでゲーゲー蛙が鳴いてたのをよく覚えてる。

朝登校する時に親友のルパンと昨日やってた犬夜叉とコナンと、世界丸見えの話なんかしていたのも記憶にある。

クラスに着くなりクラスメイト達とそんな他愛のない世間話をして、授業が始まる。

今日も何の変わり映えのない日常が続くんだと思っていた。
その時までは。

5: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:39:39.54 ID:sgWdIxsM0
その日の何の授業だったかは覚えてないが、外で花だかのスケッチをするという事になった。
校舎のすぐ横にある広場でクラスのみんなでスケッチブックと色鉛筆を持って絵を描く。

当時健康優良児だった俺とルパン、その他数名の男子生徒達はそんなメルヘンチックでノスタルジーな事はかったるく、適当にスケッチを終えて鬼ごっこをしていた。

遠目で見ていた女子達の中にどこの学校にでもいるようなチクリ女子によって、俺達の遊びは担任によって中止となった。

俺達はまた退屈になり、個々に散ってそれぞれ楽しみを見つける事にした。

そこで俺とルパンは広場から見て校舎の向こう側(広場の反対側)にある森の中を探検しようという事になった。

6: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:41:19.10 ID:9XI+Sr0g0
続けたまえ

7: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:41:19.65 ID:sgWdIxsM0
当時俺の通っていた学校は田舎で、学校は小さな山の上に建っており、学校からは周囲の田んぼが見渡せる。そんで例の森は学校のすぐ横にある。

その森はフェンスで遮られているが、一部だけ破けた場所があって、そこから侵入出来るのだ。

当時、そこは先輩方から受け継がれている秘密の森であった。

やれ、エロ本が大量に落ちているだの、昔殺し屋がそこで拳銃を隠して、それを後輩が偶然見つけて撃ったという迷信めいた伝説が残っていた。

俺とルパンは情報提供者が仲のいい先輩だった為、前者を信じてエロ本を探す冒険に出たのだ。

そしてこれが大変なスパイラルを招いた事件簿になるとは思わなかった。

8: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:42:44.29 ID:sgWdIxsM0
フェンスを潜り抜け、木々から漏れる光が幻想的な森へと踏み込む。

森の中はどっかから持って来たであろうお菓子の空き袋や何年前かのラベルが貼られた飲料水の錆びた缶が転がっているだけであった。

俺達は長い棒きれを持ち、まるで異世界を歩くファンタジーの住人のような気分で歩いた。その辺のゴミを棒きれでつついたり、持ち上げたりして遊んでいた。

ぶっちゃけ、とにかくそういう探検が好きだったから別にお宝とかどうでも良かった。実際本物の拳銃なんて見つかったら大変だけど。

9: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:43:39.06 ID:sgWdIxsM0
しばらくしての事だった。

ルパンが突然「トイレに行きたい」、と申し出た。

俺は「その辺ですりゃあいいじゃん」と言ったら

「うんこなんだよ!わりぃ、離脱する!」と言い放ち、ルパンは去った。

当時、学校でうんこする奴は非国民並みの扱いを受ける差別が横行していたが、この年代になるとむしろ誇らしく言う奴がちらほら出てきた。
ルパンはその風習の発案者に近い奴だったので、気にしなかった。

ルパンが去った後、俺は一人で探索をしていた。

10: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:45:23.34 ID:sgWdIxsM0
しかし、一人で探索するのはどうにもつまらない。

そこで俺は持ち前の小二症を発揮し、その辺の木を悪者と見立てて、棒きれを剣のように振る舞った。

それはそれは楽しい時間だった。

多くの妖怪に囲まれた主人公一人。相棒の拳銃使いのルパンはいないが俺一人で十分だぜ。

それっぽいワイルドな台詞を吐き、俺は自らの身体に秘められた力と必殺技を駆使し、バッタバッタと敵をなぎ払って行く。

そんな妄想に塗れた脳内と汗たぎる身体を存分に震わせて、何の罪もない木々に棒をぶつけていく。

どれくらい時間が経っただろうか、闘いの終わりは授業の終了を告げるチャイムが遠くで聞こえた時だった。

俺は棒きれを捨てて、急いで校舎へと戻った。

11: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:45:29.35 ID:3Mw7i3s/i
懐かしい風景が目に浮かぶよ。

12: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:46:34.00 ID:sgWdIxsM0
フェンスを抜け、校舎の裏を通って広場の方へと戻る。

すでにクラスメイト達の姿がなかったのですぐに昇降口で上履きに換えて教室に戻った。

教室にはみんな居た。

もちろんルパンも居た。広場に忘れた俺のスケッチブックを持って帰っててくれた。

俺はルパンから「わりぃ、先戻っちまったw」という謝罪とスケッチブックを受け取って自分の席に戻った。

すぐにチャイムが鳴り、国語の授業が始まる。

担任が入って来て、どこの学校にでもあるポピュラーな礼をして授業が始まる。

そして事件が始まった……。

13: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:47:24.29 ID:sgWdIxsM0
それはIさんの悲痛な声から幕が上がる。

「あれ、私の筆箱がない!?」

突然声を荒げるIさん。周囲のクラスメイト達がIさんに向き直り、「どうしたの?」と声を掛ける。

「私の筆箱がないの。外に出る前はあったのに」

俺はこの時まではどうせランドセルに入ってるんだろ、とよくありがちなオチに流れると思って、筆箱に隠し持ったガチャポンのSDのジムとザクを使って遊んでいた。

すぐに担任が「どうしたのIさん」と声を掛ける。

Iさんはすぐに担任に事情を話す。当然担任はランドセルやお道具箱は探した?と返す。

周囲にいた友達を含めて捜索に当たるが見つからない。

14: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:47:52.36 ID:9XI+Sr0g0
わくわく

15: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:49:22.04 ID:sgWdIxsM0
やがて騒然となる教室。

騒ぎはやがて不穏な空気に変わり、クラスメイト達に感染していく。

Iさん周辺の人間達もくまなく探すが、見つからない。

そんな中、ある男子の一声で雰囲気がまた変わった。

「誰か盗んだんじゃね?w」

彼の一声が女子達を疑心暗鬼の塊へと変えた。

「えー誰?ちょーきもいんだけど」

「そういう事する人って最低だよねー」

疑心暗鬼の集合体はすぐに男子達にも感染し、それは刃のような矛先へと変わる。

16: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:49:58.30 ID:cA0EsPnKi
ふむ、事件の臭いがするな。

続けて

17: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:50:49.80 ID:sgWdIxsM0
そんな言葉が口々に飛び、真っ先に疑われたのがクラス一番のやんちゃな奴だった。

「ちげーし!それだったらMとか怪しくない?」

やんちゃな奴に名指しされたMが咄嗟に否定する。

「いやいや俺?俺○○と居たじゃん?それだったらHとかじゃね?」

そうして名指しを受けた者がまた違う者を指名していく。こうして犯人を疑うスパイラルが発生していく。

そんな空気を切り裂く、一人の少年の声があった。

「みんなちょっと待って!とりあえずアリバイを整理しよう!」

それこそ後に俺に濡れ衣を着せる名探偵であった。

18: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:51:17.80 ID:6FW0vtCI0
ふむ

19: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:52:28.91 ID:sgWdIxsM0
名探偵は普段おとなしく、よくからかわれる少年だった。

子供というのは相手がムキになるのが面白く、それを何度も見たくて相手に挑発をかけるものなのだ。彼はそれによく適した人材であった。

俺とルパンもよくからかっていた。でもたまに遊んだりアニメの話をしたりする、そんなちょっとした友達。

そんな名探偵が言う。

「先生、とりあえずみんなに聴取しましょう!」

その時の真直ぐな眼差しはまさに名探偵であった。この難事件を解決する、一つの小さな灯の様にも見えた。

その時までは。

21: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:53:20.00 ID:sgWdIxsM0
名探偵の出現により、捜査が始まった。

全員のアリバイを洗いざらいにしていく。

みんなのその時の行動が晒されて行く。

それぞれがアリバイを主張し、それを証明する者が現れる。

それをうんうんと頷き、自由帳にメモしていく名探偵。

そして最後に俺とルパンというアリバイのない容疑者二人が浮上した。

22: 名も無き被検体774号+ 2012/01/22(日) 17:54:19.16 ID:sgWdIxsM0
クラスから軽蔑を含んだ冷たい視線が浴びせられる。
それはまるで俺達、もしくは俺かルパンかどっちかが犯人かのような冷酷な視線。

俺達は口を揃えて、「校舎の横の森を探検してました」と白状した。

先生はもちろん激怒。

「なんでそんな所に行ったの?」と聞かれ、

「面白そうだったから……」と俯きながら答える俺達。

そんな時だった。

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